果|涼に響く、レモンの羊羹。

果|涼に響く、レモンの羊羹。

読書に、音楽に、ひと皿に。KOBOKUがそっと寄り添う静謐なひととき。
日本古来の香木を嗜む和香木研究所《KOBOKU》は、食とともに、本とともに、音楽とともに、その世界を深めてくれる。
このコラムでは、静かな時間のなかで香味と感性が重なり合うペアリングを紹介していく。

 

 

乃し梅本舗・佐藤屋『レモンと黒糖の羊羹』と《杉翳》のペアリング。
 

白露を迎え、厳しい暑さも和らぎ始める九月の始まり。夕刻の風に秋の足音を感じるこの時期は、まだ残る夏の名残りの中にも、どこか涼やかな気配が漂う。そんな季節の境目には、ひんやりとした甘さと上品な香りが心を慰めてくれるものである。

 

 

この時季にぴったりの生菓子は、山形で200年余り続く老舗の和菓子屋『乃し梅本舗 佐藤屋』8代目・佐藤慎太郎氏が手がける「レモンと洋酒と黒糖の羊羹」だ。

レモンと洋酒と黒糖の羊羹は、スッと口溶けるよう水分量を高めたラム酒が香る黒糖羊羹と極上で完熟したレモンの蜜漬けを浮かべた錦玉羹の二層仕立て。皮まで味わえるこの貴重なレモンは熟練の職人技で丁寧に蜜漬けにし、しっとりとした黒糖羊羹の表面に美しく配したものだ。一口頬張ると、黒糖の深いコクとラム酒の芳醇な香りが口の中に広がる。小豆本来の上品な渋みにレモンの爽やかな酸味とほのかな苦味が絶妙に調和し、単なる甘味菓子を超えた奥深い味わいを生み出す。冷蔵庫で冷やせばレモンの香りが清々しく立ち上がり、常温で味わえばラム酒の余韻が舌に心地よく残る。温度によって表情を変えるこの繊細さこそが、この羊羹の真の魅力と言えるだろう。 

 

 

この羊羹と最も美しく響き合うのが、ノンアルコールスパークリング《杉翳》。杉の若葉を思わせる清涼感、黒文字の気品ある香り、そして酢橘と蓬の野趣あふれる風味が幾重にも重なり、まるで深い森の中にいるような感覚を呼び起こす。この組み合わせがもたらすのは、単なる「マリアージュ」を超えた感動的な体験である。杉翳の微細な炭酸が羊羹のなめらかな舌触りを引き締め、黒糖の重厚さを軽やかに包み込む。黒文字のスパイシーな香りとラム酒の華やかさが交錯し、木漏れ日のような美しいコントラストを描き出す。レモンの酸味と杉葉の青い香りが重なる一瞬には、まるで季節が新しい扉を開くような、静謐な気配が感じられる。一口ごとに、一杯ごとに、香りが記憶の奥底に眠る風景を呼び覚まし、遠い森の情景や、過ぎ去った夏の思い出をそっと蘇らせてくれる。


 

 

この羊羹と最も美しく響き合うのが、ノンアルコールスパークリング《杉翳》。杉の若葉を思わせる清涼感、黒文字の気品ある香り、そして酢橘と蓬の野趣あふれる風味が幾重にも重なり、まるで深い森の中にいるような感覚を呼び起こす。この組み合わせがもたらすのは、単なる「マリアージュ」を超えた感動的な体験である。杉翳の微細な炭酸が羊羹のなめらかな舌触りを引き締め、黒糖の重厚さを軽やかに包み込む。黒文字のスパイシーな香りとラム酒の華やかさが交錯し、木漏れ日のような美しいコントラストを描き出す。レモンの酸味と杉葉の青い香りが重なる一瞬には、まるで季節が新しい扉を開くような、静謐な気配が感じられる。一口ごとに、一杯ごとに、香りが記憶の奥底に眠る風景を呼び覚まし、遠い森の情景や、過ぎ去った夏の思い出をそっと蘇らせてくれる。

静かな午後のひとときに。涼風が部屋を渡る夕暮れ時に。あるいは、大切な人と語らう穏やかな夜のひとときに。
甘味と香りが織りなす豊かな余韻に身を委ねてみてはいかがだろうか。

 

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Information|乃し梅本舗・佐藤屋

住所(本店):山形県山形市十日町3-10-36
TEL:023-622-3108
営:9:00~18:00
休:元旦
HP:https://satoya-matsubei.com/
注文方法:オンライン、店頭販売

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