About
日本古来の『和香木』を喫する、
淑やかな香りの嗜みを。
日本には古来より『木香を聞く』という香文化が根付いています。それは自分の内側と向き合うための静謐な営みであり、目に見えない心の動きに耳を澄ませる繊細微妙な感性の表れにあります。
和香木研究所《KOBOKU》は、日本の伝統的な香文化や漢方生薬の知恵、自然哲学思想を基に、日本古来の『和香木』檜、杉、松、楠、梅、櫻———を「飲」として嗜む、新しい香りの愉しみ方を提唱しています。
「飲」という営みを通して、貴方が本能的に持っていた繊細微妙な感性を取り戻すきっかけになることを願っています。
Origin|日本の森と香木。
東西南北に広がる地形にめぐまれた日本。国土の約七割は森林であり、森林を形成する樹種の多さは同じ温帯林を持つ国の中で類をみません。国土における森林面積の広さでは、フィンランド、スウェーデンについで世界第3位という「木の国」「森の国」なのです。
『香』という視点で見ても、日本には檜、杉、松、楠、梅、櫻など、幹・枝・葉・果実のすべてに芳香を宿す樹木が数多く存在します。そうした木々は、癒しや活力をもたらすだけでなく、組み合わせや抽出の仕方によって無数の香味表現を可能にし、日本独自の香文化を生み出す原動力となり得るのです。
KOBOKUは、日本の木の香りに新たな解釈を与え、味わうという形で未来へつないでいきます。
Expertise|仕立て
まるで香水のよう。
—— 聞く香りから、味わう香りへ。
日本の香文化において『焚いて聞く』という千四百年以上の文化があります。香木を焚き、その香りに耳を澄ませるように心を向ける——この美しい伝統を受け継ぎながらも、KOBOKUが目指すのは『香りを味わう』という革新です。グラスを傾ければ、香木が持つ清らかな香りが口中にひろがり、日常の喧騒から解き放たれた静寂な一刻が訪れます。それは瞑想にも似た、深い安らぎの瞬間。忙しき現代において、私たちが忘れかけている儚き美しさを想い起させてくれます。
香木が語る、森の物語。
—— ひと口のなかに広がる香景。
天然由来の日本の香木から生まれる香味のうつろいは、まるで森を浮遊するかのような感覚の旅です。最初に訪れるトップノートの鮮やかな印象から、やがて現れるミドルノートの奥深さ、そして余韻として残るラストノートの温かさまで——複雑に変化する香味の物語を、五感すべてで愉しんでいただくことができます。
一口ごとに移ろう香味の表情は、季節の変化や時の流れを感じさせ、貴方の心身にひとつの風景を描き出します。それは木々が語りかける、言葉を超えた対話なのかもしれません。
Circulation|香りの循環。
私たちの食づくりは、日本各地の山々に足を運ぶことから始まります。檜や杉、松、楠といった香木をはじめ、その土地に深く根を張る植物たちとの出会いを大切にし、持続可能な採集手法で素材を厳選。低温でじっくりと抽出された精油や芳香蒸留水を立体的に重ね合わせ、味覚と香りが美しく共鳴するよう繊細に設計しています。
KOBOKUは、日本の森から生まれた香りを通じて、人と自然の関係をもう一度丁寧に紡いでいきたいと考えています。
一 日本各地の森と出会う
間伐の必要な森や放置された里山に眠る希少な香木と出会う。
二 香木を食に仕立てる
香木を仕入れ、蒸留と調香を行い、ボトルに充填する。
三 香木をボトルにして届ける
木の香りを味わうことを通じて、人と自然を再び結ぶ。
一 香木の仕入れ
日本各地の森を訪ね、香木や薬草の声に耳を澄ますところから、KOBOKUの食づくりは始まります。間伐の必要な里山や深い森に眠る希少な香木と出会い、「物語を宿した樹」として香木を厳選します。
二 蒸留・調香・製造
森から届いた香木を提携先の蒸留所やラボで丁寧に精製します。素材ごとに温度や時間を見極め、精油や芳香蒸留水として香りを抽出。そこからさらに、トップノート/ミドルノート/ベースノートへと香味の設計を重ねます。
三 人と自然を結ぶ
こうして生まれた一本のボトルは貴方のもとへ届けられます。グラスに注げば、森の香りがひらき、舌の上に杉林の風景が立ち上がる——。KOBOKUのひと雫は、単なる飲料ではなく、知性感性や自己美意識を甦生する「媒介」です。木の香りを味わうという営みを通じて、人が自然と再び結ばれることが私たちの願いです。
About|日本古来の香木を味わうこと。